私に恋してくれますか?
「…いつまでもマイペースな子どもだ。」と父が呆れた声をだす。

「でも、憎めないわよねえ。ニカッと笑われるとこっちまで可笑しくなる。」と姉がまだ笑っている。

「あなた、裏庭に裏口を作りましょうか?
トオルさんはあそこから出入りしそうですし…
雛子に子供ができたら、あそこからやって来るでしょう?
毎回柵を乗り超えられてもご近所の目もあるし…」と母がニッコリ父に笑いかける。

「おまえも、トオルに甘すぎないか?」と父は母を見る。

「あなたもトオルさんに甘いでしょう?
もう、怒っていないし…」と母は父を連れてリビングを出て行く。

「…呆れて口がきけないだけだ…」と笑った声で父が言い返すのが聞こえた。
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