私に恋してくれますか？

「ピーコって雛子ちゃんを呼んでた時点で、そうかもって思ったかな」とクスクス笑うヒロミさん。

「でもさあ、俺たち『如月』に『皐月』だぜ。」と兄が吹き出している。

「おまえ、3月生まれの雛子さんはひな祭りの雛の意味だ！」とスグルくんがトオルくんに詰め寄る。


「ハイハイ。もう、喧嘩しても、名前は変えられないよねえ。」と姉が笑って女性陣は爆笑の渦だ。

「でもさあ、なんでピーコは弥生じゃないの？」とトオルくんは唖然とした顔をする。

「私が弥生なんですよ。」と母が笑って、

トオルくんは「ええ！？」と頭を抱えた。

「つぐみっていい名前です。私は大好きです。」と私が言うと、トオルくんはホッとした顔を見せ、

「だよねえ。」と私に笑いかけた。

「次に男の子が生まれたら、鷹也がいいです。」と私が笑うと、



「また、女の子だったら『すずめ』？」

「鳩？」

「ひばり！」

「カナリア。」と兄達はクスクス笑っている。

「うるさいっ！」とトオルくんが怒る。


「ハイハイ、食事にしましょう。」と母が手を叩く。

兄達はまだ、

「カルガモ」「ジュウシマツ」「セキセイインコ」と笑いながら歩き出す。

「もう、やめろ！」とトオルくんは怒った声で兄達に続いて歩く。

私達女性陣は声をあげて笑いながら子供達を抱いて食堂に移動した。



〜おしまい。〜