私に恋してくれますか?

電話番の仕事。

食事を終えて、トオル君と並んで食器を片付けてから
2階に上がり、
廊下でお姉ちゃんに電話する。

「ヒナコ、昨夜は無事だった?」とクスクス笑う。
「なに?」と聞くと、
「その様子じゃ、まだ未経験のまま。って感じね。」
「お、お姉ちゃんの馬鹿!!」と怒った声を上げると、
トオル君が部屋から顔を出す。
「な、なんでもありません。」と真っ赤な顔でトオル君の顔を見ると、
トオル君は不思議な顔をして部屋に戻っていった。

「静子さんとお母さんには話したわよ。
お母さんヒナコがいなくなって、倒れちゃったし…。」

お母さん…

「お、お母さんは?!」
「大丈夫よ。すぐに元気になるわ。
家出した子どもは初めてだったから、驚いたんでしょう。
でも、お見合いは延期よ。よかったわね。
お父さんも強引すぎたかって、思ったんじゃない?
静子さんが必要なモノをスーツケースに用意してたわ。
どこに持っていく?」と聞くので、

最寄駅の名前を教え、
夕方静子さんが荷物を持ってきてくれることになった。
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