私に恋してくれますか?
店の中はアジアンテイストの食器や、雑貨。
ヨーロッパの物もセンス良く並んでいる。
美しい色の洪水。
うん。
色が特徴なんだな。とても鮮やかで綺麗だ。

トオル君が打ち合わせをしてる間に
私は店内を見てまわらせてもらった。

文具も置いてある。
私は手にとって質感を確かめる。
メモ用紙も、ボールペンも美しくオシャレで可愛い。

「じゃあ、沙織さん、よろしく。ピーコ、行くよ。」とトオル君が入り口で私を呼ぶ。
私は後ろ髪を引かれる思いだ。

「雛子ちゃん、今度ご飯行こう。」と沙織さんが微笑む。
私は嬉しくなって大きく頷いてからトオル君が開けてくれたドアをくぐった。

道を歩きながらトオル君を見上げて、

「すごく綺麗な雑貨ですね。もっと、見たかったです。」

「そうだろ。
ピーコみたいに仕事している女の子達に欲しいって思ってもらいたいんだよ。」
と子供みたいに自慢げに言って、私に笑いかける。

キュッと心が掴まれる笑顔。
チャラくなければ、いいオトコなのに…
残念だ。
そんな風に私が思ってるとは気付かずに

トオル君は機嫌よく、
店に並んだ雑貨について楽しそうに話し続けた。
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