私に恋してくれますか?
「うーん。お見合い…する事になっちゃって…」ともう一度溜息をつくと、
「ええええ?!ヒナコさんって、まだ、24歳でしょう?」と茜ちゃんが驚いた声を出す。

「父は言い出したら聞いてくれないの…」と少し諦めた声を出すと、
「でも、お父さんが結婚するんじゃないし!」と言ったので、私が顔を上げて

「…結婚?」と呟くと、
「ヒナコさん、お見合いするって結婚するってことです!
妻になるって事です。
もしかしたら、母親にだったなるかもしれないんですよ?
わかってますか?
ヒナコさん!お見合いってそういう事です!」と茜ちゃんが私の顔を呆れた顔で見つめる。

「…か、考えた事もなかった。」と私は茜ちゃんの顔を見つめ返した。

「やっぱりねえ…そんな事だと思った。」と茜ちゃんは私のお弁当から卵焼きをつまみ上げ、
「ちゃんと、社長にお見合いしないって言ってください。」と私にキッパリ言って
「ヒナコさんのお弁当っていっつも美味しいですね。」と私に笑いかけた。

結婚?

考えた事もない。

お父様に断らないと…。

結婚なんて無理だ。
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