私に恋してくれますか?
私はあまり眠れない夜を過ごし、朝早くシャワーを浴びて、身支度を終えた。

キッチンであくびをしながら、コーヒーを入れていると、
「ピーコ、おはよう。」とトオルくんが起きてきた。

「き、今日は早起きなんだね。」と驚くと、

「昨日、なんかさあ、ピーコとキスした夢を見たかも…」と言いながら、私の隣に立つ、

うそ?
覚えてない?
と真っ赤になって驚いた顔をすると、

「ピーコその顔、可愛い。忘れるわけないじゃん」と大げさに抱きしめてきた。

「と、トオルくんの馬鹿!」
と私が怒った顔で、抱きしめられたまま背中をバシバシ叩くと、

「ピーコが好き。」と笑って深く唇を重ねてくる。

私は大人しくトオルくんの背中を抱く。

「ねえ、今からベッドに行く?」とトオルくんは私の顔を覗く。

「行きません!」と私が顔を赤くして俯くと、

頭のてっぺんにキスをして、髪の匂いを吸い込んでいる。

「また、お預けかよ。せっかく早く起きたのに…これってなんの匂い?」とくんくんと頭に鼻をつける。

「スズラン。…ずっと使ってるの。」と言うと、

「ずっと、気になってたんだよねー。ピーコの匂い。
やっとわかった。いい匂いだって思ってたんだ。」と言いながらさらにギュッと抱きしめる。

えーと、朝から刺激が強すぎです。
トオルくん、もう少し、ソフトに迫ってください。
と心の中で呟いた。

< 80 / 191 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop