私に恋してくれますか?
その日、トオルくんは明らかに機嫌が良く、
時折、私を抱き寄せ、微笑みかける。
私はドギマギして、ギクシャクとトオルくんの腕を解いて顔をしかめてみせる。

「ねー、雛子ちゃん、絶対昨日なんかあったでしょ。」と桜井さんが呆れた顔で私に言う。

私が下を向いて黙っていると 、

「桜井、よせ、俺は聞きたくない」と左近さんがクスクス笑う。

「聞きたい?」とトオルくんは楽しそうに笑うので、

「や、やめてください!」と真っ赤になってガタンと椅子から立ち上がると、

トオルくんはクッと笑って横を向く。

…からかってる…?

「トオル、雛子ちゃんで遊ぶな。」と左近さんが呆れた声を出し、

「だって、ピーコ可愛いんだもん」とトオルくんは笑いをこらえた声を出す。

「はいはい。可愛い可愛い。」と桜井さんのからかう声。

「俺たちやっと、付き合い始めたんだ。」とトオルくんが言って、

「今更?!」と桜井さんが声を出し、

「…そういうことか。
どうりで、今までトオルが遠慮がちだって思ったよ。」と左近さんが声を出して笑った。
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