私に恋してくれますか?
12月は洋菓子店は忙しい、
それに、パーティーも多いので、両親共に留守にしている事も多い。

家に戻ると、お手伝いさんの静子さんが迎えてくれたから、母もいないって事だ。
静子さんは50代の俗に言う女中頭って感じで、
両親に1番に信頼されているお手伝いさんだ。
父の運転手兼ボディガードををしている三好(みよし)さんの奥さんで、
夫婦揃って私達家族を支えてくれている。
子供に恵まれなかったせいか、私達、特に、身体の弱かった私を大切にしてくれる。
もちろん表立ってベタベタとしてはいないのだけど、
私を気にしてくれているのはとても感じさせてくれる存在だ。

今日はきちんとお見合いを断ろう。
そう決めて、
私は着替えをせずに両親を待つ事にした。



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