私に恋してくれますか?
ファミレスでコーヒーを飲みながら、窓の外をボンヤリ見ていると、
私の席の横に足立先生が座った。
スーツ姿なのに髪が少し濡れている。
女の子の部屋でシャワー?だったかな。…と思う。

「先生、どうして前に座らないの?」と私はボンヤリ先生の顔を見上げると、

「うん?泣きそうな顔してたから、
店員さんにジロジロ見られないように…かな?」と言われて、

涙がまた、流れ出した。
せっかく止めてから店に入ったのに…台無しだ。

先生の肩に隠れて涙を拭く。

「ここで、先生って呼ばないでよ。
雛子ちゃん、みかけが幼いし、年が離れてるから、
不適切な関係に見られるでしょ。
前から言ってるけど、ヒロミって呼んで。」
と言いながら、ウェイトレスさんにコーヒーを頼んだ。


「で、なんで家出したの?」と私の顔を覗く。

「今日、トオルくんの家にお兄さんのスグルくんが来て…。
トオルくんが私を連れ出したのは、自分とお見合いさせないようにだって…
私のためじゃないって…」とポツポツ話すと、


「五十嵐 優(いがらし すぐる)。
俺のもう1人のライバル。ってヤツだ。
君の結婚相手としての条件をクリアして、
結婚する気でいた…らしいね。
君とは子供の時に面識もあるし、
お兄さんの如月くんと大学の同期。
お金持ちの世界は狭いね。
輸入家具会社の大手「storm(ストーム)」の跡取り息子。
…君のお兄さんがスグルくんが結婚相手を探してるって聞いて、間に入った。」

…スグルくんは兄の知り合い…
トオルくんも?…


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