もう二度と昇らない太陽を探す向日葵
でも、今思えば〝気づかなかった〟なんてただの言い訳なのかもしれない。彼の、私に心配をかけまいとする優しさに甘えきっていただけだった。辛く苦しい思いをし続けていた彼の気持ちを、私はすくってあげられなかった。いつも私は彼に助けられてきたのに、私は一体、彼に何ができたと言うのだろうか。
「どうしてあんなこと言ったの」
私は、彼と連絡を取ると駅前で待ち合わせた。私よりも数分後にやって来た彼は、もともと細身だったけれど、また更に痩せているような気がした。
彼が来ると、私はすぐにメッセージの真意を問い詰めた。すると、彼は、眉を八の字に下げてからしばらく俯いたままだった。俯いた顔を上げたと思えば、彼は口角を少しずつ上げて笑顔を作り出した。
「さあ、分からない。ただ、好きじゃなくなった」
この時の彼の声は、少しだけ震えていた。
「好きじゃなくなった……?」
私の声も、同じように震えていた。苦しくて、悲しくて、悔しくて、キツく結び直した唇を離せば今にも泣いてしまいそうだった。
「そう。もう、好きじゃない。だから、付き合い続ける意味がない」
彼は、私と目を合わすことはない。
「でも……私は、好き」
決して目を合わせようとはしてくれない彼に、必死で涙をこらえながら訴えかけた。だけど、彼はまた俯くばかりで首を縦にも横にもふってはくれなかった。