もう二度と昇らない太陽を探す向日葵
「〝向日葵のような女の子へ〟その言葉で、すぐに貴方のことだって分かったわ。あの子のことを、救ってくれてありがとう。本当に……本当に、ありがとう」
涙で、手紙が滲んでいく。一度、瞬きをすると大きな雫がぽつんと音を立てて手紙へと落ちた。
ほんの一瞬だけはっきりとした視界には、向かいで私と同じように涙を流している彼のお母さんがいる。
「うわああああああああああっ」
私は、思いっきり声を上げた。とめどなく流れる涙と共に、〝悲しみ〟なんて言葉では表せない程の胸の奥にある大きなものを吐き出した。
好きで、好きで、好きで、好きで、好きで、好きで、好きで、好きで、好きで、好きで、好きで、好きで、好きで、好きで。
本当に、彼のことが好きだった。大好きだった。
彼に出会った時の私は、こんなにも彼のことを好きになるなんて、きっと思ってもみなかっただろう。
こんなにも、彼を好きになって苦しい思いをするなんて思ってもみなかっただろう。
でも、こんなにも〝幸せ〟の詰まっていた日々を知ることができるとも思っていなかっただろう。
苦しくて、悲しくて、やるせなくて、どうしようもない日々。
だけど、彼と生きる一瞬がとても尊くて、嬉しくて、幸せでどうしようもなかった日々。
たくさんの哀しさや、愛しさがあって、たくさんの後悔もある。だけど、彼が亡くなって二年が経とうとしている今も、私は胸を張って言える。
私は、彼と出会うことができたこの人生を、誰よりも〝幸せ〟だと思っていると。
そして、もう二度と昇らない太陽だとしても、ずっと、探して、探して、探し続けて。
私は、今までと変わらず、ずっと真っ直ぐに見つめ続けると。それが、私の〝幸せ〟なんだと────。