もう二度と昇らない太陽を探す向日葵
「……分かった」
お兄さんが、仕方ないなぁと言うような少し呆れた表情を浮かべながら口角を上げた。
「きっと……ううん、絶対に私、幸せになるよ。お兄さん」
隣にいるお兄さんを見上げて、私は思いっきり笑った。
私は、絶対に幸せになる。
間違いなく、陽本蒼という一人の男の子に幸せをもらって生きていくんだ。そういう確信も確証も、私にはあった。
「未来、変えに来たのにな」
「何度来たって、絶対変わらない。変えられないと思うよ」
肩を落として呟いたお兄さんの一言に、私がそう自信気に答える。すると、お兄さんは目に涙を浮かべながら、私の両手を握り締めた。
「ありがとう。ありがとう。ありがとう。本当に……出会ってくれて、ありがとう」
「こちらこそ、ありがとう。私と、出会ってくれて。生きてくれて」
笑っている私につられたかのようにして、お兄さんも笑った。そんなお兄さんは、いつものように優しい表情で私を見続けている。
私は、間違っていない。未来の私も、今の私も、間違っていない。
お兄さんと生きる選択をしたことは、私を幸せにする選択だ。この瞬間、そう改めて感じることができた───。