愛のカタチ
プロローグ
子どもゴコロ
それは中二の頃。
「ねぇ?」
教室の隅。
窓際の席で、グランドを見ながら隣りに座る実菜子に聞いた。
忙しそうに今日の当番の仕事を続けてながら、
「ん?」
と、なんとなく返事をするのを確認すると、
「幸せって何だろう?」
と話を続けた。
実菜子は手を止めて、
「ん~…」
と少しだけ考えてから、
「何だろうねぇ…?
人それぞれなんじゃない?」
と、なんとなく適当な答えを返して、また忙しく仕事をこなした。
「ふぅーん…」
と、曖昧な答えだけ返して、再びグランドを見た。
窓の外では、いつもと同じメンバーがグランドを駆け回っている。
その中の一人が私に気付いて立ち止まり、手を振ったので、私も手を振り返した。
それに気付いた他のメンバーが、 立ち止まったその彼の頭を小突いたりしながら、皆で笑っていた。
平和な日だ。