愛のカタチ
それでも言いにくそうに口を噤むから、食事の手を止めて、優希の目をじっと覗いた。
「どうしたの?」
再び問い掛けると、
「言いにくいんだけど…」
「うん?」
「…実は俺…借金があるんだ」
って。
…って。
はっきり言って、目は点だった。
更には、事の重大さも、全く理解してなかったのね。
私。
気軽に聞いた一言。
「いくら?」
って。
事情はさておき。
とにかくサラ金に借金200万。
それが彼の答え。
サラ金=利息が高い。
そう父親に教え込まれていた私は、
「それって、大変なんじゃないの?」
と、それだけは理解できた。
毎晩外食して、優雅ぶってる場合じゃない。
鈍器で後頭部を殴られたような、そんな感覚って、こういうことを言うのかと、冷静に思ってた。