愛のカタチ
初めてのトラブルは、案外早くにやってきた。
「はぁ~…」
サラ金の明細書を広げて、大きくため息。
「何で、1年経つのに借金が増えてるの…?」
答えは簡単。
優希の貨幣価値は、私たちとは違うから。
「そんなに使うのなら、父親に頭下げて、お金借りればいいでしょ!?」
って。
本音だった。
でも、どこかプライドの高い優希は、父親に本当の事が言えないでいた。
優希の父親は、よく出来た人だったし、その父親に引け目を感じていたのか、優希が父親に接する時、傍目から見ても、背筋がピンとするような空気になる。
そんな彼に、父親に打ち明けるなんてできるはずもなかった。
男のプライドって、面倒だ。