愛のカタチ
「待った?」
後から来たのは、優希。
時間より早く来たのは私。
「ううん。」
変わらない店内で、変わってしまったのは私たち。
私には、彼を救うことができなかった。
彼を救うなんて、できるわけなかったんだ。
「はい。」
白い封筒に入ったそれを渡すと、
「ありがとう」
と受け取った。
「振込み先、封筒に書いてあるから。」
何ていうか、温度のない会話。
付き合っていた頃と違うことは分かっていた。
それでも、寂しいと思うのは…
未練かな。
軽くお茶だけ済ませて、私たちは店を出た。
最後なんて、あっけないものだと思った。