愛のカタチ
「また見てるの?」
物音立てずに教室に入ってきた実菜子は、私の耳元で囁いた。
「ぅわっ!!?」
ガタターンッっ…
女の子らしからぬ声を出して、更に派手に大きな音を立てて、乗っていた机の上から思いっ切りひっくり返った。
「ぃたたた…」
なんて言葉では表せないほど、お尻と背中が痛い。
涙目になりながら、実菜子を見上ると、半笑いで私に手を差し出していた。
その姿にちょっとカチンときて、
「立てないもん…」
とスネたようにソッポ向くと、実菜子は笑って、私のとなりにしゃがんだ。
そして、まるで、親が子どもに話すかのように、目線を合わせてから口を開いた。