愛のカタチ

携帯は電源を落としてしまえば、着信は気にしなくて良い。


ただ携帯の電源を入れた時に、中傷メールが入っているのを、見ないように消去すれば良いだけ。


胸に支えていたものが少し和らいだ感じがして、目頭が熱くなった。

それを隠したくて、下を向いた。


コトン、コトンとテーブルにドリンクが運ばれる音だけ確認をして顔を上げた。


「お疲れ様です」


ビールグラスを合わせて、乾杯。


「すみません。心配かけて。」

陽子さんは、少し「うーん」と考えて、

「あまり酷いようなら、対策練った方が良いわよ?」

とビールを一口運んだ。


< 44 / 54 >

この作品をシェア

pagetop