愛のカタチ
携帯は電源を落としてしまえば、着信は気にしなくて良い。
ただ携帯の電源を入れた時に、中傷メールが入っているのを、見ないように消去すれば良いだけ。
胸に支えていたものが少し和らいだ感じがして、目頭が熱くなった。
それを隠したくて、下を向いた。
コトン、コトンとテーブルにドリンクが運ばれる音だけ確認をして顔を上げた。
「お疲れ様です」
ビールグラスを合わせて、乾杯。
「すみません。心配かけて。」
陽子さんは、少し「うーん」と考えて、
「あまり酷いようなら、対策練った方が良いわよ?」
とビールを一口運んだ。