箒星
「……んのやろっ」



怒りに我を忘れた卓哉先パイのこぶしが弧を描きながらあいつに向かっていく


だ、だめ!


「きゃーっ!!」



……って、あれ?



あいつは何もなかったかのようにつったっていた



変わっているのはあいつの腕があがっていること


そのあがった片手には卓哉先パイのこぶしが収められていた



「俺、たぶん喧嘩は強いっすよ?先パーイ☆」



あいつがそう一言放つと卓哉先パイは自分がどういう状況にあるかようやく理解できたようだった
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