強引専務の甘い手ほどき
私達が住んでいるマンションの寝室と隣にあった部屋の間に扉を作り
子供部屋にする事にしてあった。
私が病院から部屋に戻ったときにはもう、ベビーベットも
必要な衣類も、オモチャも部屋に用意されていた。
(キサラギさんのご両親がいそいそと送ってきてくれたらしい。)

キサラギさんが仕事用の部屋を借りたっていうのはいうのは嘘だったらしく、
リフォームというか、
柔らかい色の壁紙や、クッションタイプの床材に張り替えてあったのには驚かされた。

「だって、付き合う前から、カエデと住む家を買ったって言ったら、
絶対カエデが引くって思ったし。」とキサラギさんはちょっと機嫌の悪い顔を見せた。

そりゃあね。
引きますよ。

…もう、遅いけど。


キサラギさんの家族との顔合わせは
少し緊張したけど、和やかに済んで、
(初めて会った上の妹さんは結構、キサラギさんと顔の雰囲気も性格が似ている。
女王様キャラかな。)
キサラギさんと私との結婚を喜んでくれているって、
生まれてくる子どもを楽しみにしてくれているって
そう感じさせてくれるお食事会だった。




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