強引専務の甘い手ほどき
ルピナス特製、紺野さんが作ってくれた、
本店限定のシュークリームで作られた背よりも高いタワーが運ばれてくる。

嬉しい。
紺野さんがタワーの横で微笑んでいる。
「紺野さんありがとうございます。」と挨拶し、
ケーキならぬ、シュークリーム入刀だけど、
みんなに祝福され、
ファーストバイトの儀式が行われる。

先に私にキサラギさんがシュークリームをフォークで食べさせ、
私がキサラギさんのためにフォークでシュークリームを差し出すと、
キサラギさんはちょっと嫌な顔を見せてから、グイッと私を引き寄せ、
「俺はこっちにしとく。」
と私の唇にくちづけをした。

大きな歓声と拍手、冷やかす口笛の中

キサラギさんは
「カエデはバニラの香りがする。」
と私をぎゅっと抱きしめ、もう一度、深くくちづけををした。


〜fin〜
< 113 / 122 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop