強引専務の甘い手ほどき
俺たちが出会ったのは4年前。
俺がキサラギの秘書をする事に決め、
実家の結構大きな不動産屋を退職して、ルピナスの秘書室に配属された時だった。

実家は兄が継ぐ事になっていたし、
キサラギは俺を秘書に望んでいたのは、もう、ずうっと前からだったので、
（キサラギとはずっと同じ学校でだったので、
お互いのことを知り尽くしていた。）

キサラギが営業部から、翌年、専務に就任すると決まった時に、
正式にキサラギのオヤジから話があった。

遅かれ、早かれ、キサラギの秘書になるのは悪くない話だった。
キサラギは大きく仕事を動かすのに向いていたが、
細かいところを埋めるヤツが必要だと、
まあ、自他共にわかっていた。

俺はヤツの穴を埋められるのは自分でわかっていたし、
キサラギの真っ直ぐな人柄が好きだったから。
一緒にルピナスを守る事にしたのだ。

俺は一足先に秘書としての仕事を始める事にした。

秘書という仕事を最初に教えてくれたのが
レイだった。

細やかで、よく気が付き、
背筋の伸びた、美しいオンナだと思った。

バツイチで、子どもをひとりで育てているので
離婚してからは残業をしていないため、
秘書の取りまとめの仕事を任されていたらしいが、
よく仕事ができて、
秘書課の相談係みたいで、
他の役員の秘書たちからも慕われていた。って感じかな。





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