強引専務の甘い手ほどき
ドアがガチャリと開く気配で目がさめる。
明るくなっている。朝だ。
私はベットに寝かされていた。
慌てて身体を起こすと、小声で玄関で言い合う声がきこえた。
「…だから、寝ちゃっただけだって。」と専務の声。
「キサラギ、社内のオンナには手を出すなって言っておいたろ!」ときっと、石神さんの声だ。
「着替えたら、挨拶して帰るって。」という声がして、
部屋に戻って来た専務と目が合う。
「…お、おはようございます。」とかけられていた布団を握って言うと、
「おはよう。…えっと、迷惑かけたね。起きちゃった?…よねえ。」と専務は頭を掻いた。
「西島さん。本当に申し訳ない。俺も一緒に行けばよかった。
被害はありませんか?」と石神さんはベットから少し離れたところに膝をついて私に聞いた。
「いや、被害って俺って、そんなにひどいヤツじゃない。…と思ってるけど…?」と専務が私の顔を見る。
「だ、大丈夫です。何にもありません!私も酔っ払ってしまって…。
専務が起きなかったので、面倒になって連れて帰ってしまいました。」と言うと、
ふたりはホッとした顔をする。
「ほら、大丈夫だっただろ。」と専務は笑い、
「今回はな。」と石神さんは言った後、
「それにしても、よっぽど、安心して飲んじゃったんじゃない。
おまえ、西島さんに心を許してるって事だよな。」と笑った。
「そりゃそうだろ。俺とカエデはパートナーだよ。
ルピナスのケーキの味をカエデが守って、
俺はルピナスでうまいケーキを作り続ける事が出来るようにする。」と私に笑いかけた。
こんな酔っ払い後のおかしな状況なのに、
力強い笑顔に私は見とれてしまう。
「おまえさあ。あっさりカエデって呼んでるけど…。」と石神さんが笑う。
「いいだろ。オレ達はこれからチームなんだからさ。」
と言いながら、専務がちょっと赤くなっているのがわかる。
私もチームに入れてもらえるんだ。
嬉しくなって微笑むと、
「じゃ、よろしくカエデちゃん。」と石神さんが私の手を握る。
「拓也、勝手にカエデに触るな。」と専務が石神さんの手を払い、私の手をしっかり掴む。
「キサラギ、おまえ、分かりやすすぎるぞ。」と石神さんがクスクス笑った。
明るくなっている。朝だ。
私はベットに寝かされていた。
慌てて身体を起こすと、小声で玄関で言い合う声がきこえた。
「…だから、寝ちゃっただけだって。」と専務の声。
「キサラギ、社内のオンナには手を出すなって言っておいたろ!」ときっと、石神さんの声だ。
「着替えたら、挨拶して帰るって。」という声がして、
部屋に戻って来た専務と目が合う。
「…お、おはようございます。」とかけられていた布団を握って言うと、
「おはよう。…えっと、迷惑かけたね。起きちゃった?…よねえ。」と専務は頭を掻いた。
「西島さん。本当に申し訳ない。俺も一緒に行けばよかった。
被害はありませんか?」と石神さんはベットから少し離れたところに膝をついて私に聞いた。
「いや、被害って俺って、そんなにひどいヤツじゃない。…と思ってるけど…?」と専務が私の顔を見る。
「だ、大丈夫です。何にもありません!私も酔っ払ってしまって…。
専務が起きなかったので、面倒になって連れて帰ってしまいました。」と言うと、
ふたりはホッとした顔をする。
「ほら、大丈夫だっただろ。」と専務は笑い、
「今回はな。」と石神さんは言った後、
「それにしても、よっぽど、安心して飲んじゃったんじゃない。
おまえ、西島さんに心を許してるって事だよな。」と笑った。
「そりゃそうだろ。俺とカエデはパートナーだよ。
ルピナスのケーキの味をカエデが守って、
俺はルピナスでうまいケーキを作り続ける事が出来るようにする。」と私に笑いかけた。
こんな酔っ払い後のおかしな状況なのに、
力強い笑顔に私は見とれてしまう。
「おまえさあ。あっさりカエデって呼んでるけど…。」と石神さんが笑う。
「いいだろ。オレ達はこれからチームなんだからさ。」
と言いながら、専務がちょっと赤くなっているのがわかる。
私もチームに入れてもらえるんだ。
嬉しくなって微笑むと、
「じゃ、よろしくカエデちゃん。」と石神さんが私の手を握る。
「拓也、勝手にカエデに触るな。」と専務が石神さんの手を払い、私の手をしっかり掴む。
「キサラギ、おまえ、分かりやすすぎるぞ。」と石神さんがクスクス笑った。