強引専務の甘い手ほどき
専務はシャワーを終えて髪を拭きながらやってきて、少し冷めたコーヒーを飲んだ。
「これってどこの?」と聞くので、
「近くにあるカフェのモノです。」というと、
「これも美味いね。昨日のメシも美味かったし、カエデは美味いものを見つけるのが上手い。今度、カフェにも連れて行ってくれ。」と私に微笑んだ。
「…それって、私が食いしん坊っていってませんか?」と少し上目使いで専務を見上げると、
「あんまり、そーいう顔をするなよ。
朝、カエデの寝顔を見た時は、結構我慢したんだから。」と、専務はちょっと笑って、
「行こう。拓也、俺はちょっとここにいられそうにない。」と立ち上がって玄関に向かい、
「また、月曜日。」と手を振って、髪が濡れたままで石神さんといなくなった。

どういう事?
深く考えたくない。
気がする…かな。

きっと気のせいだ。
専務の瞳が真っ直ぐ私を見つめていた
なんて事は…
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