強引専務の甘い手ほどき
紺野さんが
「先ずはルピナスのファンのカエデちゃんの意見を聞こうか。」とニッコリする。

「…。」溜息をついて専務を見上げると、私の瞳を柔らかく見つめ返す。
私は決心して口を開く事にする。

「どれも美味しいです。
ただ、ルピナスのケーキらしい。と言うなら
果物を使ったモノならこの2点。
他のものはこの2点。
ですが、このブドウを2種類使ったモノ。
きっと、本店から出されたものだと思うんですが…。
甘さの種類を工夫すれば、…きっとこれが1番好きです。」と言うと、
「僕も似た意見だな。そのブドウのケーキ、結城のものだって分かった?」と紺野さんが私に聞く。

「結城君は果物の扱いが上手です。
軽すぎる口当たりは、ルピナスらしくありませんが、
選ばないのはもったいない気がします。」と言うと、

紺野さんは微笑んで頷き、
社長は
「西島くんをおまえのパートナーにして正解だな。」と真面目な顔で専務をみる。

専務は私を少し見つめてから
「…西島くんは、頼りになる。」と社長に返事をした。














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