強引専務の甘い手ほどき
夕方石神さんの手が空いた時に
「あ、あの、石神さん。
昨日は水城さんに呼び出されてたって聞きましたが…」とそっと声をかけると、ちょっと笑って、
「俺が社長の誘いを断ったんじゃないから大丈夫だよ。
水城さんに事情を聞かれただけ。
後は、俺たちの問題じゃないよ。だから、気にしなくていい。」と私の瞳を覗いた。

「それより…。
結城ってヤツとどうなってるの?」と聞くので、
「…どうって?」とポカンとした顔で見つめると、
「その顔じゃ、大丈夫そうだね。
やれやれ。
君は思った以上に手がかかるな。
まあ、そこがキサラギのツボでもあるんだけどね。」と笑った声で歩き出す。
と、突然振り向き、

「ああ、今度の週末、花火大会の日。納涼祭は参加で良いよね。
大型のクルーザー借り切ってるんだ。
17時。迎えに行くから、浴衣で参加ね。」
「ゆ、浴衣ですか?」と聞くと、
「持っていなければ、上野さんに相談して。」と笑った。


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