強引専務の甘い手ほどき
勤務が終わり、部屋に戻った。

何日分の荷物を用意するって考えれば良いのかな?
スーツケースでいいかしら。
いや、そんなに大げさにすると、引かれるだろうか。
毎日一緒に…ってなんだろう?
と考えていると、

ピンポンとチャイムが鳴る。まさか、もう来たのかって慌てて、ドアを開けると、
「〇〇引越し便です。」と引越し屋さんだ。
「…た、頼んでいませんけど?」と玄関に佇むと、
「西島 楓さんのお宅ですね。日野如月様からご依頼を受けています。」
とお兄さんが5人と、女の人が3人並んでいる。

「荷物を詰めて、引越しされるんですよね。」と引越し屋さんは爽やかな笑顔だ。
「え?なな、なんで」と言うけど、
「お急ぎなんですよね。作業にかかっていいですか?」

「ちょっと、待って。」と言うけれど、
引越し屋さんは、早く仕事をしたいって雰囲気で、部屋の中を覗き込んだりしている。

ああ、もう!
きっと契約は済んでいるんだろう。

「じゃ、じゃあ、お願いします。」とため息を吐くと、
「では、貴重品などはご本人様でお持ちください。
衣類は女性スタッフが梱包しますので、ご安心ください。」とニッコリして、
8畳の部屋に8人も入ってきた。

「ベットと電化製品は処分する様ににと言われていますが…」と言われて、
「ここを引き払うわけではないので。置いておいてください!」と大声が出た。

あの男。
何を考えてる!?

同棲?

いや、そんな話にはなっていない。


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