強引専務の甘い手ほどき
キサラギさんのマンションに着く。
自動で扉が開く駐車場に車が停められ、エレベーターの前でキサラギさんがカードキーをかざすと
エレベーターがやって来た。
セキュリティーが高いって事だ。

誰でもエレベーターに乗れる訳じゃあない。

「これはカエデのカギ」と金色のカードキーが渡される。
「…はい。」と受け取りながら、ちょっと驚いてしまう。

キサラギさん、わたしを信用し過ぎてないですか?

私は、まだ、キサラギさんに真っ直ぐ見つめられる事や、
どうやら、私をかなり好きみたいだっていう事が信じられない。


私がため息を吐くと、
「カエデ。どうかした?」と私を抱き寄せる。
「…いいえ。
キサラギさんと一緒にいると、驚く事が多いって思って。」と見上げると、
「そおかな?早く慣れてね。」とにっこり笑った。

付き合いだして、2日めに一緒に暮らすなんてありえないでしょ。

「ちっとも、慣れるきがしません。」と私が呆れた声で言うと、

「カエデちゃんが慣れても、慣れなくても、
キサラギが強引なのは
あんまり変わらないと思うよ。」と石神さんが笑った。
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