強引専務の甘い手ほどき
「カエデ。ベットルームに行こう。」
と食事の後片付けもそこそこにキサラギさんは私を抱きしめ、耳元で囁く。

「か、片付けが終わってません。」と言うと、
「明日もお手伝いさんが来るから、食器はシンクにつけておけば良いよ。」と私の手を取り、
階段を上がる。

「…シャワー、浴びたい。です。」と言うと、
「ベットルームにもバスルームあるんだ。」と、にっこりとする。

そうなんだ。

「一緒に入ろうか。」と私の瞳を覗くので、
「お、お先にどうぞ!」と赤くなってい下を向くと、
「もしかして、恥ずかしい?
昨日、カエデの身体は隅々まで見てるけど?」とクスクス笑う。
「絶対、嫌。です。」と顔を伏せると、
「うーん。しょうがないなあ。」と顔をしかめて、ベットルームのドアを開けた。

ここはリビングの真上で、大きな窓から同じように観覧車が見えた。

綺麗だ。

私が窓に近付くと、
「気に入ってくれた?シャワー浴びてくるから、寝ないで待っててね。」
とキサラギさんはベットルームの中にあるドアを開ける。

きっとそこがバスルームなんだろう。

私はどおして、こんなところにいるんだろう。

キサラギさんは何を考えているのかな。

と思いながら。窓の外の観覧車を眺めていた。
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