強引専務の甘い手ほどき
出勤の支度をしてからキッチンで、コーヒーを淹れて、一緒に飲む。
「毎朝、オヤジと朝食を食べながら、ミーティングがある。
カエデと一緒に暮らしてる事は、オヤジにはしばらく内緒にしたいんだけど…。
任されてる湘南の店がオープンしてから親父に話したい。」とキサラギさんは私の瞳を覗く。
「…はい。」と私が目を伏せると、
「俺のオンナはカエデだけだよ。」とそっと抱きしめ、くちづけをする。


親に内緒。の関係。
そういうことだよね。

まあ、忙しいキサラギさんは私以外にオンナはいないのかもしれない。
今のところは…。
とそっとため息を吐いた。

今、私はキサラギさんが好きだ。
強引に口説かれて、ここに来た気がしているけど、
ちゃんと、私も彼を求めていた。

キチンと彼を愛そう。

迎えの車がやって来て、
私は笑顔で彼を玄関で見送った。





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