強引専務の甘い手ほどき
部屋の中でゆっくりできる時は、だいたいベットの中だ。
私が映画が好きだって言うと、
ホームシアターの大きなプロジェクターをベットルームに取り付け、
ベットの中で、映画を見られるようにしてくれた。
ふたりで並んでベットに入ると、
だいたいキサラギさんが私を組み伏せてくるので、
最後まで見ることはできないけど、
まあいい。
キサラギさんを帰りの遅い日に、もう一度見直せばいいのだ。
キサラギさんもそれを知っているので、
「あの映画って最後はどうなったの?」とか私に確認し、
私が良かった。と言えば、見直すことにしているみたいだ。

キサラギさんの腕の中で幸福のため息を吐きながら、
私は暮らしている。

「どおして、ため息を吐くの?」とキサラギさんが私の顔を覗く。
「どうしてかなあ。」と私は笑い返すけど、

キサラギさんとはいつか別れなければならないと思うと、
どうしたらいいのかわからないって
そう思う自分が私の中にいるのだ。
ため息も出るよ。
と心の中でそう思った。


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