強引専務の甘い手ほどき
でも、翌朝キサラギさんは、
「昨日はカエデが酔っ払ってたから、キチンとゴム着けた。
酔ってない時にもう一度聞かせて欲しい。
俺のこどもが欲しいって。」と私の顔を真っ直ぐに見て、それから微笑んだ。

「…ごめんなさい。軽率でした。」と私は自分のした事が恥ずかしくなる。

酔っぱらっている時に、
キサラギさんのこどもを欲しがるなんて、どうかしてる。
こどもにも、キサラギさんにも失礼だ。

「いや、本気なら俺は嬉しいんだ。」とキサラギさんは照れたように笑う。

「もう一度、考えます。」と赤くなって言うと、

「カエデが真剣に考えてくれて嬉しいよ。」とキサラギさんは微笑んだ。


昨日、お見合いの話を聞いたから、
キサラギさんを失うかもしれないって思ったから、
私は子どもが欲しくなったのかもしれない。

キサラギさんはお見合いの相手と子どもを持ったほうがいい。
ちゃんとした結婚相手と…。


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