強引専務の甘い手ほどき
「カエデ先輩、疲れてんじゃないの?」と結城くんが休憩時間に私の顔を覗く。
「結城くんこそ、すごく忙しいでしょ。
ここの仕事と新しい支店の打ち合わせ、両方しないといけないでしょう?」と笑って聞くと、
「俺は支店を任される事になって、すげー張り切ってるからいーんだよ。
でもさあ、カエデ先輩、顔色良くないいんじゃない?」と心配そうな声を出す。

まあ、眠れてないからしょうがない。

もう、年末だ。
クリスマスのケーキの販売も終わり、
(結城くんのピンクのノエルはとても評判が良くて、
今後のルピナスの定番のクリスマスケーキになりそうだ。)
お歳暮や、年始用のお菓子がよく売れている。

キサラギさんの顔を見るのが辛い。

いつもの顔で仕事に出かけるキサラギさんは
私にお見合いをした。
という事を話してはくれない。

私には関係ないってことだ。


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