強引専務の甘い手ほどき
久しぶりに、自分の部屋に帰る。
時折、風を通すために部屋に寄っていたけど、
泊まるのは4か月ぶりだ。

掃除機をかけ、拭き掃除をする。
トイレとお風呂も掃除を終えると、
もう、大掃除はおしまい。って事にした。

食器もお鍋も何にもないけど、
コンビニと100均でなんでも揃う。

うーん。家を出たばかりの頃を思い出す。

また、1から始めればいい。

ひとりになっただけだ。

仕事まで無くした訳じゃない。

キサラギさんが私の顔を見たくなければ、
移動させるだろう。


私はルピナスのケーキのそばにいられればいい。


その夜、
久しぶりにひとりでベットで横になる。

キサラギさんが恋しい。
抱きよせる手が、
髪を撫でる指先が
なんども浅い眠りに訪れる。

でも、きっと

そのうち、

眠れるようになるだろう。

きっと…。



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