無愛想天使
「違わないよ」

意識した事はなかったけど、先生も隼人も、もちろん大翔も私の大切な人に変わりはないからそういう事にしておいた。

自分の言った事が正しかったからか、特別になれたと嬉しかったからなのか分からないけど、はにかんで笑っていた。出会った時から思っていたけど、大翔は本当に嬉しそうに笑う。

「僕が乃々香の事を呼び捨てで呼ぶ最後の男になる予定だから、よろしくね」

「…最後の男?」

いきなりの最後の男になる宣言に呆気にとられている間にも、気の早い未来設計はどんどん進んでいって、子供は女の子がいいとか、先生と同居するから二世帯住宅にしようとか妙に具体的でよくこの短時間で思い付くなと感心した。



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