無愛想天使
「…ありがとう」

色気のない一言で、一気に現実に引き戻されたけど、大翔に負けないくらいの笑みでお礼を言った。

「見た?!いや、絶対見たよね?」

ついさきほどまで向かい合っていたのに、ありがとうとお礼を言った私に後頭部を向けて、男性を問い質し始めた。

男性は大翔の顔が勢いよく自分の顔に近付いてきたものだから、顔が引き攣っていた。

今特に何にもなかったと思うんだけど…指輪を貰ってお礼を言った。それだけだよね?



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