無愛想天使
これはいいわけになるのかな…って思うけど、物心がついた頃からだから、なかなか直らない。

先生は分かってくれているという気持ちがあるのは確かで、違う意味で私は甘えているんだと思う。

「じゃ、今日の練習曲は猫ふんじゃったな」

「…うん」

「じゃ、大翔!出てけ」

「えぇ〜!突き飛ばしておいて、出てけって…」

「俺と乃々香の時間を邪魔するなよ」

先生はそう言い放つと、笹本さんの存在を無視するかのように、ピアノと私しか見ていなかった。

その状況に、入り込む余地なしと判断したのか、不満げな顔をしながらも笹本さんは部屋から出て行った。



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