無愛想天使
それほど、長い時間ではなかったけど先生が階段を降りてきて私に追いついたから、そのまま一緒に買い物へ行った。

スーパーの中でうっとうしい…いや、騒がしかったのは予想通りだった。

「ねぇ、ねぇ。乃々香!俺達、恋人同士に見えるかな〜?」

「…見えないでしょ」

「えぇ〜。頑張って若作りしてるのに〜」

「…若作りって自覚あるんだ?」

「ぬおっ。聞こえてたの?!」

「…さっ、今日何食べる?」

「…何でもいい」

「何?先生、拗ねたの?」

「…だって乃々香が」

不満げな顔で、口を尖らせながら、下向きかげんでぶつぶつと呟いている。

これじゃ、どっちが子供なのか分からない。



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