無愛想天使
「前向けたね。僕と話すときは向かい合って話そう!そしたら前向けるよ?」

最近の私は、鍵盤に触れていない時も常に俯き加減で顔を上にあげた事はなかった。

だから、こんな事…?

「まっ、前を向いたついでに僕の事も見てくれると嬉しいんだけど…そしたら、僕以外のモノが視界に入らないようにしてあげるっ!」

悪戯に笑いながらも照れているらしく、耳が赤い。

この日以降、笹本さんと話す時は向かい合って、顔をあげて話すようになった。



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