無愛想天使
辺りも暗くなってきて、別れの時が一刻一刻と迫ってきていた。

もうすぐ終わる、そんな事を考えていると、久しぶりに私のピアノが聴きたいというリクエストに応える為に、ピアノ教室へと向かった。

先生は、こうなる事が分かっていたのか昨日の夜、好きに使っていいと、鍵を貰っていた。

教室までの道のりは会話がなくて、でもしっかりと手だけは繋がれていた。

私達の“繋がり”はもう、それしかないのだと言われているようで、繋がっている手を見つめると嬉しくもあり空しくもあった。

私達は、周りから見ると、どんな関係に見えるのだろう…

友達?兄と妹?


恋人…?



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