無愛想天使
「な…に?」

「乃々香の好きだったビスケットと、ブレスレット。もうすぐ誕生日だろ?」

何?これ、一体何なの?

何で誕生日なんて祝うの?

何で最後の最後にこんな事するの?



何で、優しいの?



こんなのズルイよ。

ズル過ぎる。

「…ぅうっ…っ」

我慢していた涙が一気に溢れ出て可愛くラッピングされているプレゼントが、涙のしみでだいなしだ。

「…泣くなよ」

隼人は気まずそうに言う。

せっかく我慢していたのに泣かしているのは隼人だよ。

泣き止もうにも、流れ出した涙はそう簡単にはとまらない。



.
< 60 / 126 >

この作品をシェア

pagetop