無愛想天使
目の前に突然できた壁に顔が埋もれている。

そこは隼人の匂いがして、プレゼントごと抱きしめられている事に気付いた。

状況は分かるけど意味が分からない…

「隼…人?」

「頼むから泣かないでくれよ…最後に見る顔は笑顔がいいんだ」

私だって、そう思ったし努力もした。

自分の中にある言葉の中で最も言ってはいけないと思っていた言葉が零れた。


「最…後にし…なきゃ…い…いじゃ…ん」


無言で返事すら返ってこない。案の定という他ない。



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