無愛想天使
次の日、ピアノ教室に行くと昨日の男が居た。

「あっ…」

「あぁ!待ってたよ〜!」

待ってた?私を?何故?

「乃々香、知り合い?」

そう問い掛けてきたのは先生だった。

「先生…」

「もう、練習中じゃないんだからお父さんって呼んでよ〜」

「…お父さん何て呼び方、今更じゃない?しっくりこないよ」

見てもらえば、分かるように私のピアノの先生は父。


高瀬尚行(タカセナオユキ)と言えば知らない人がいない位クラシック界では有名な人。

そんな人が自分の父親だなんて知ったのは二年前の事。



.
< 8 / 126 >

この作品をシェア

pagetop