無愛想天使
“最後のおねがい”というフレーズと今にも泣き出しそうな大翔の態度がさきほど感じた事が間違いではないと余計に思わせた。

ゆっくりと私を離すと、また明日と口角をあげるだけの笑顔を作って教室を出て行く大翔に、私もまた口角をあげるだけの笑顔で手を振り見送った。

ずっと守り、想ってくれていた隼人。

ずっと支え、想ってくれていた大翔。

私は、大切な人を今両天秤にかけている。二人とも大好きで大切な存在。だけど色んなものを取っ払った時に私の中に居るのは、どっちなんだろう…



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