無愛想天使
心を無にする為に、無我夢中で色んな曲を弾いた。

疲れていたのか、自分でも気づかないうちに眠ってしまったらしく、次に意識がはっきりしたのは心地よいリズムがきざまれている暖かい背中の上だった。

高校生にもなって、父親におぶられていたのだ。

「お父さん…」

「…ん?乃々香起きたのか?」

「…うん」

降りて自分で歩くかと尋ねられたけど、何だか甘えたくなってそのままおぶってもらう事にすると、お父さんは嬉しそうだった。



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