無愛想天使
自分の演奏に満足できず涙する者、歯を食いしばる者、緊張して落ち着かずそわそわしている者。

私も他の人の事は言えない。今までのコンクールとは比べ物にならないくらい緊張して苦しかった。心臓をぐっとわしづかみされているような感覚。

そんな中、目を閉じて精神を落ち着かせる。

だけど、目を閉じて浮かんでくるのはあの人との思い出ばかりで余計に落ち着かなくなった。本当に色んな事があったと思う。

周りの音が聞こえていない状態で、係の人に肩を叩かれてやっと自分の順番がきたことを知った。



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