俺様御曹司による地味子の正しい口説き方
思い付くままメッセージを作り上げ、そのまま送信した。
先週末も遅くまで残業……接待だったし、もし小早川君からコンタクトがあっても大丈夫だよね。きっと、華ちゃんとご飯食べて帰っても私のが早いだろうし。
あたりさわりないメッセージを送信し終えて、ほっと一安心する。
華ちゃんと向かったのは最近駅裏に出来たスペインバルのお店だった。
色々話ながら食事を楽しむために、タパスやピンチョスなどの軽食とビールを頼む。
「「かんぱーーーい」」
「華ちゃん。今週もお疲れ様でした」
「杏もお疲れ様」
初めて食べるスペイン料理に目を奪われながらどれから食べようか悩む。
色々食べ比べたい女子にはぴったりな料理よね。
メッセージも送り終わって解放された杏は恭一の事はすっかり忘れて目の前の料理に夢中だった。
「ねぇ杏?小早川君ともう寝た?」
「ブッッッッ!!」
プチトマトとチーズを重ねたピンチョスを口に含んだところだった杏は思わずつまようじを吹き出すところだった。
「…………っ、は、華ちゃん?」
むせて涙目になりながら華の言わんとする意味を考える。
女子トークってこんな話もするの!?