俺様御曹司による地味子の正しい口説き方
んっ?
と、笑いながら私に向ける視線はからかっているようにも思えない。

コホン、と1つ咳払いをして華と向き合った。

「あ、あのですね。結論から言うとまだそんな関係ではありません」

顔が暑くなってきたことから、真っ赤になっているであろうことは予測できた。
しどろもどろと今の気持ちを華に伝える。

「私は、今までお付き合いもしたこともありませんし、特に気になる男の子が居たわけでもなかったので、さっぱり分からないんです」

「分からないって何が?」

何が?
何が……と言われて考えてみてもそれすらも分からない。

チビリとビールを舐めるように飲み、眉を下げて華を見上げる。

「全てが」

そう。本当に分からないんだ。
小早川君からいつも言われている『自覚』することもどうしたら出来るのか、何を自覚したらいいのか……。

「華ちゃん。私は何を自覚したら良いんだと思います?小早川君に言われるんです。私は何に気づいてないんでしょう?」

「たとえばよ?杏は小早川君の事は好き?」

好き……かどうかなら、、、

「多分━━━好き?ですかね?」

「多分て何よ。ふふふ。じゃあその好きはどれくらい?」









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