俺様御曹司による地味子の正しい口説き方
そういえば、笠原と親しく話している人を殆ど見たことがないなと、小早川は思った。
それならこの人にバレたのも好都合だったか、、、でも、ほっときゃいいのに、なんでばらしてしまったんだろう。
「俺、あんな風にキスを拒否られたの初めてだったんだよね」
「私には関係ないですよね?」
「だから、興味が出ちゃって。…………もう一回してみる?」
これは本音だった。
確かに、笠原は見た目は全くと言って良いほど色気もなければ愛想もなかった。だけど、チヤホヤされながらここまで来た小早川にとって、ここまで興味を持たれなかったことが無かったのだ。
嫌われている訳でもないとは思う。
仕事も丁寧だし、教え方も分かりやすい。
ただ、でもそれだけなのだ。
淡々とこなすその姿勢を崩してみたいと思ってしまったのだ。
そして、あのキスだ。
あの時の、あの反応。
単純に、おもしれぇと思った。
それに……柔らかかった。
触れるだけの子供みたいなキスが、妙に気持ち良かった。
ハハッ、、、欲求不満かよ。