俺様御曹司による地味子の正しい口説き方

携帯を触っている間に置かれたアイスカフェオレを口に運ぶ。

どうしたら……とキヨさんに視線を向けると
視線がぶつかった。

「さっきの……恭一かしら?」

「あ……はい」

「ふふふ。大事にされてるのね。でも、それもいつものことよ。すぐに飽きて終わるわ」

「あ、あのー。1つ伺っても良いですか?キヨさんは、歴代の彼女たちにもこんなお話をされていたんでしょうか?」

「そうね、勘違いの激しそうな子には何回か忠告はしたことがあったけど、皆すぐに私の言うことが正しかったって分かってくれたわ。だって恭一が終わらしてたもの」

クスクスと楽しそうに話す。

「そうですか……では、今回も忠告と言うことで良かったですか?」

「いいえ。貴女から別れを告げてほしいの」

「はっ?」

「恭一の邪魔をしたくはないでしょう?」

「どういうことですか……?」

「貴方たちの同僚に、桃山さんって方がいるでしょう?私、彼女の弟にストーカーされてたの」


突然変わった話の内容に戸惑う。

……何の話?


「えっと、はい。聞きました」

「そう。部屋の中に押し入られたことがあってね、それはそれは怖かったわ」


そうやって話ながらも顔は最初に見せたあの妖艶な微笑みを浮かべていて。本当に怖がっているようには思えなかった。


「そのことで彼のお姉さんと初めてお会いしたの。ストーカーが表だって公表されればそのご家族だってどうなるかしら?」


背中にゾクリと冷たいものが走る。


……何を言っているの?

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